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国立大学法人 浜松医科大学

大学紹介

University Introduction

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学長メッセージ

今野学長

 浜松医科大学は開学48年になります。卒業生は昨年度までに医学科4,405名、看護学科1,630名に達し、地域医療のみならず、全国の医療の現場や研究分野、行政関係などで活躍しています。建学の理念に謳われているように、「優れた医療人を育成し、独創性のある研究成果を世界に発信し、地域医療を中核的に担う」ことが、私たちの使命です。この理念は開学してから半世紀近くを経て、医療や看護の高度化、専門化が顕著な現代でも、聊かも揺るがない高邁な精神を謳っており、大学運営の羅針盤と言えます。
 この2年間、世界では新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、社会?経済に極めて深刻な影響を及ぼしました。本学はいち早く感染予防対策を徹底し、全ての教職員、学生が高い防疫意識を持って行動しており、関係者全員の不断の努力により教育や診療など、地域医療の中核としての責務を果たすことができています。授業はオンライン授業と対面授業を融合したハイブリッド型授業を実施しています。教職員、学生全てが積極的に防疫対策に協力し、「チーム浜松医大」としての真価を発揮しています。
 さて、国立大学の法人化から18年経ちました。6年単位の中期目標期間が3期過ぎ、現在第4期中期目標期間に入っています。本学は将来ビジョンを公表しましたので、その点も含めて概説します。
 
 教育においては、この6年間入試改革と共に教学改革を進めてきました。入試においては、個別入試の比重を高め、面接にプレゼンテーションを実施し、「記憶力」から「論理的思考力、判断力、表現力」へという国の方向性を先取りしてきました。学部教育においては、令和3年度に抜本的な医学科カリキュラム改革を実施しました。新カリキュラムでは、豊かな人間性と高い倫理観に基づく共感力、コミュニケーション力等を身に付けるため、倫理学、心理学等の行動科学の修学を学部教育全般に渡って行います。さらに、国際性の観点だけではなく、異文化や人種等の多様性の理解に必須である英語の修学にも焦点を当てています。奇数学年時の全学生に課しているTOEIC受験に加え、eラーニングや英語でのプレゼンテーションなど、6年間にわたる英語教育を行うことで、卒業時に英語で医学や医療の討論ができる医学生を育成します。海外で研修する学生は年々増加していますが、国際化推進センターを設置し、ネイティブの専任教員を配置するなど、本学及び海外からの学生の利便性を向上させ、一層の国際教育、国際的学術交流を推進しています。
 さらに、引き続き高度な能力を備えた専門性の高い医師、看護師を育成し、患者さんの価値観や特性など多様性を理解し、他職種と連携しながら患者さんの意思を尊重した最善の医療を提供できる医療人を育成します。加えて、研究熱心で未知の生命現象の解明や疾患の克服等につながる重要な研究成果を世界に発信できる独創的な医学?看護学研究者を養成するとともに、既存の学術領域を超え、新しい医療技術を社会実装するなど、社会の課題に挑戦するアントレプレナーシップ(起業家精神)を持った人材の育成を目的として、数理?データサイエンスの修学に加え、令和4年度から単位認定した正式なカリキュラムとして設定します。
 大学院教育においても、医学系研究科では海外の学生を含め常に定員以上の応募があり、優れた大学院生の確保が可能となっています。また、今年度から看護学専攻博士後期課程がスタートしました。博士前期課程(修士課程)では老年看護と精神看護の高度実践看護コースも開設し、専門看護師、認定看護師など、医療へコミットする多様な看護師を育成していきます。

 研究面では、常勤教員当たり研究業績数や科学研究費獲得額?件数は国立大学でも常に上位に位置しています。本学の強みである光医学研究に関する最新の研究機器と高度な技術スタッフや蓄積したノウハウからなるイメージングコンプレックス体制を活用し、光医学研究をさらに推進するとともに、こころの病や遺伝性疾患など、未解明の課題に対して基礎研究者、臨床研究者が一体となって取り組み、治療法の開発につなげます。また、工学?情報学等の他分野の知見を取り入れながら特色ある分野横断的研究を推進し、同時に新しい医療技術?システムの開発やビッグデータ解析により、心身ともに健康な社会の創成を目指します。
 そのためにも、次世代の中心となる有望な若手研究者支援など戦略的な研究支援についても引き続き力を入れていきます。さらに、地域における産学官連携を深化させるために、産学連携?知財活用推進センターを設置し、民間企業、大学間、行政、金融、基幹病院との連携を強化しています。今年度から次世代創造医工情報教育センターを開設し、社会の課題に挑戦できるデザイン思考やアントレプレナーシップの素養を持つ学生及び社会人を養成し、医工連携を推進し地域にメディカル?イノベーション?エコシステムを形成することができる人材育成を実施していきます。

 診療においては、特筆すべきこととして今年1月に附属病院先端医療センターが稼働開始したことが挙げられます。同センターは、最近の手術数増加に対応するために手術室を増設する必要があること、最新の放射線治療のための移設、さらには化学療法センター、光学医療診療部、NICU(新生児特定集中治療室)、GCU(新生児回復期治療室)の業務拡大に対応することを目的としています。 
 また、5月からは臓器別病棟再編、6月には臓器別センターを設置し、患者さんの利便性や診療効率、病床運用効率の向上、診療協力体制の強化を図ります。
 卒後教育の充実にも積極的に取り組んでおり、卒後教育センターでは、初期研修から専攻医研修まで一貫した支援を行っています。さらに看護師特定行為研修センターでは、チーム医療の促進のために医療安全のもと特定行為を行う看護師を育成しています。このような取り組みにより、医療?看護の質の向上に繋がると期待しています。
 さらに本年度は将来ビジョンに示しましたように、メディカルDX(医療のデジタル?トランスフォーメーション)を促進します。より安全で高度な医療を提供し、医療の質や患者さんの利便性を向上させるとともに、看護師をはじめ、多様なメディカルスタッフの質的向上によるタスクシフトに取り組み、医療従事者にとってもフレンドリーな環境を提供するスマートホスピタルを実現します。また、専門医や特定看護師など地
域医療の中核を担う高度で専門的な能力を有した医療人の育成を強化します。さらに、医療情報の共有化などをはじめ近隣医療機関等との連携により集約化?機能分化を推進しレジリエント(強靭)な医療ネットワークの構築に取り組みます。
 地域医療への貢献の面でも、西部地区のみならず、静岡県全体の医療の主導的な役割を担っています。既に静岡県の勤務医の約3割を本学卒業生等、医局関係者が占めており、600床以上の大病院3施設を含め、30人近い病院長を輩出しています。そのほかにも、日本医師会理事、県医師会理事や市町の医師会長、県や市町の医療行政の幹部として本学関係者が活躍しています。ここ数年では医学科卒業生の約6割が県内で種々の職に就いており、全国的にも地元定着率が極めて高い大学です。
 さらに本学の強みの一つである産学官連携を強化し、革新的な技術の創出とベンチャー企業の育成等により医療を基盤とした産業創出を目指すとともに、地方創生?価値創造の中核として、地域や他大学と連携し、インクルーシブで持続可能な「ウエルネス社会」の創出に貢献します。
 これらのビジョンを実現するために、関係者の皆様との対話により本学に期待される機能や役割を理解し、外部有識者の助言をいただきながら、調査研究を充実させ、原則として客観的な指標に基づく大学運営を行います。また、国からの運営費交付金以外の多様な財源の確保を図り、資産運用等の拡大により安定的な財務運営に努めます。さらに、施設?設備整備を通じて、地域医療を支える附属病院の機能強化はもちろんのこと、高度な情報技術も組み合わせ、キャンパス全体が有機的に連携し、学内のみならず、地方公共団体、産業界、他の教育研究機関等との共創の拠点(イノベーション?コモンズ)となるよう取り組みます。
 今後も一人一人が自らの責務を果たす中で、自らの夢を持ち、自らが描くキャリア形成を自律的に実現する、それが結果的に本学の持続的な成長に繋がる、そんな組織でありたいと願っています。

         令和4(2022)年 5月  
学 長  今 野 弘 之
(KONNO Hiroyuki)